在りそうでなかった

この記事を読んで思うのは、若い世代だから思いつく発想だということだと思う。

この発想は私たち世代には難しいかもしれない。私はこの記事読んで懐かしさと共に甦った記憶がある。

私が小学生低学年くらいまで親は商店街で買い物をしていたから基本「計り売り」だった。包装もその場で簡単にできる程度、野菜とかは、そのままホイホイと買い物袋やカゴに入れる。豆腐は容器を持参して買っていた。時々おまけしてくれたりした。

つまり、私たちより上の世代にして見れば普通にあった光景であって新しさは無く古い昔懐かしい感覚であって大型スーパーができる前の古い業態に戻ることは愚かにさえ思える。若い世代からすれば未経験の新しいサスティナブルな発想だから、この在りそうでなかった「計り売り」の発想ができたのだろう。

「計り売り」なので必要な分を必要なだけ鮮度の良い食材を買う。必然としてお店の方とのコミュニケーションがあり、旬の食材を教えてくれたり、美味しく食べる調理法教えてくれたり、情報共有の場ができる。

大型スーパーができたことで、効率を求めた商品は規格化され、予めパッケージングされるようになった。旬や鮮度より、いつも同じものが買える「変わらない安心感」が優先され、大量生産と大量廃棄を引き起こした。

規格化された商品によって「どこで買っても一緒」になり、「少しでも安いところで買う」ようになり、少しでも高く売りたいはずが、安売り競争を引き起こした。

安売り競争により生産者も値下げを迫られ、生産会社の給料は低水準となり消費者は更に安さを求める。

よく考えてみれば、これって誰も嬉しくないことだ。

大型スーパーができる前の商店街での「計り売り」は、適量を適正な値段で旬の鮮度が高いものが買えた。食料廃棄は少なかった。

こうしたエコなことに気付きはじめた若い人を中心に「本質的な回帰イノベーション」が起きていて、コロナ禍をはじめ気候変動など自然現象に対応しようとする動きが加速していると思う。

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